曲は、Andante fieramente(歩く速さで、熱烈に)の指示で始まる6小節間の序奏から始まります。ここでいきなり格調高く提示された主題は、その後のAllegro con brio(快速に、活気をもって)において、クラリネットから各楽器のソロ、そして金管中低音部の強奏へと受け継がれ、さらにフーガ的に展開深化していきます。しかし、その盛り上がりの頂点で、場面は一転してAndanteの中間部へ。この部分は清らかでロマンティックな旋律・対旋律が折り重なるようにあらわれ、人間の内面の美しさを情感豊かに歌い上げるかのようです。しかし、その歌が感動的な“絶唱”に達したところで、余韻を断ち切るかのように非情にも再びテンポはもとのAllegroに戻り、主題をコンパクトに再現し、そのまま一気に終末まで駆け抜けます。